反面教師

またもご無沙汰いたしておりました。

寒い=冬眠
暖かい=野良仕事

この繰り返しで気がついたらあっという間に時が経っておりました。汗

さてお正月のクルーズで気がついた事を。
302人の日本人のお客様をお迎えする事は前々から分かっていたのですが、
①今までやってきたコースの繰り返し
②だから何とかなるだろう
と焦らず、多分自分一人だけど、フロントに日本人がいないから船内携帯がガンガン鳴りまくるであろうが、何とかなるかな。
と結構余裕で構えてました。
イケメンクルーズディレクターが下船する前に、クリスマス、お正月クルーズの船内アクティビティとか全て用意周到で準備してジェノバに戻られたので更に安心しきっておりました(これが大きな間違いであったことに後々気づく。のが遅かった。涙)。

イケメンクルーズディレクターの後のクルーズディレクターは、3年前一緒に働いた事のある中国人。一つ前のブログで怒りをぶちまけましたけど、彼女は決してバカじゃないんですが、経験もないまま中国人であるという理由から出世街道を歩き続けた人。
しかし経験もさることながら、エンターテイメントという船で一番華やかな、ヨーロッパでは才能と目立ちたがり屋、人から注目されるのが何よりの快感、な性格がないと到底やっていけないポジションに、地味で存在感のない彼女がついたばっかりに、それはそれは盛り上がらない船になったのは始まる前から想像できたからいいとして。
問題だったのはイケメンクルーズディレクターが用意してくれた全てのものを、ホテルディレクターという、航行部門以外のホテルセクションの責任者がかたっぱしから覆し、予想外のものをどんどん取り入れ、且つクルーズディレクターなんてやったことない中国人が嫌と言えずにその要求を全て受け入れていったので、船内新聞が変更に次ぐ変更で全く出来上がらず、大変なことに!
ホテルディレクターは結局は我々のボスなんで頭上がらないのは分かりますけど、クルーズディレクターっつーのはエンターテイメントの総責任者。例えボスが何か言っても、拒否する権利があるのはクルーズディレクターだけ。それをバカのいっちょ覚えで
「ホテルディレクターがこうしろって言ってるから」
何かと言うと全ての催し物の変更の言い訳がこれで、ブチ切れた私は
「あのね、あなたはエンターテイメントの総責任者で、唯一ホテルディレクターにNoって言える人なのよっ!!」
チャイのクルーズディレクターが私より経験浅いのを分かってるんで、一応私より上の位置の人なんですけど、もうそんなこと構ってられるかいドアホ。分からないなら私が言ってやるわ。ってことで言いまくりましたよ。
このクルーズディレクターに用があって私が彼女に電話するとき
「グッドモーニング、ノリコサン!! メイアイヘルプユー!??」
いっつもこういう感じで電話に応答し、それはそれは緊張してるのがわかりました。
ゴメンナサイ

さてそんな波乱のお正月クルーズ。
もう船内携帯パンク状態でトイレも、シャワーも浴びてる時間ないわ。な状態でしたが何とか終え、恒例のお客様からのアンケートで日本語のコメントがある場合は英語に訳さなくちゃいけないのでその作業をしてたんですが。

年齢的にうちの両親、戦中/戦後に生まれて幼少の頃を敗戦後の貧しい時期に育った世代。日本の世界経済大国を作り上げた世代の方々が
「エセ日本食ほどまずいものはない」
「メニューは日本語訳してあったけど、料理の説明がないから何を食べていいのか分からなかった」
「年寄り向けのアクティビティが全くない」
「日本語を話せるクルーが少なすぎる」
と、自分中心に世界が回ってないと気が済まない、すっかり感謝する気持ちを失った人が多い事に正直愕然としました。
例えば私なんかの戦中戦後も知らない、でもバブルは知ってるという地代なら分かりますよ。
でも苦しい地代を生き抜いて来た方々が、すみません、極端なんですけど食べ物にありつけること自体に感謝してもおかしくない世代の人達のコメントを読んで、日本はこれで大丈夫なんだろうか。
もちろん、お金を払って来た訳だからそれなりの満足度が得られなかった場合文句を言いたくなる気持ちももちろん理解します。
でも、うちの船は日本船籍でも日本の会社でもない。
日本食が全く無くてもおかしくない。
日本語が喋れるスタッフが全くいなくてもおかしくない。
そういう背景や、クルーズに来れる豊かさに感謝、年寄り向けのアクティビティはないにしても、ああこれがイタリアの船なのね。という順応性は全く無く、自分中心、自分の好みで事が回らないとただ文句言う。

アッシジのサン・フランチェスコが、富はほんのわずかな事への感謝の気持ちを失わせる。
といって裕福な家庭の出身だったにも関わらず、生涯清貧を貫いたんですが、このアンケートの意見を読んでると本当にそうだな、と彼の言葉を心の底から痛感しました。
日本は豊かです。シンガポールのダイソーとか見てても、イタリア生活が長くなってしまった私には、本当に「こんなこと」にお金をかけられる日本はやはり豊かなのだと。
でもね、私はイタリアで生活できることに満足してます。
イタリアは日本ほど豊かじゃないから、まだ小さな事、何でもない事、仕事があること、普通に生活できる事に感謝する心が持てるから。
アンケートに書かれてる事を読むと、真の意味で豊かなのはきっとイタリアなのかもなと感じます。

ともかく、こういった感謝の気持ちを忘れたお客様を反面教師にして自分は絶対こうなってはいけない。と心を新たにするのみなのであります。
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by smilenory | 2016-01-21 06:53 | クルーズライフ

気がつけばイタリア在住16年!イタリアのクルーズ船で働きながら、思ったことを綴っています
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