2013年 10月 18日
クルーズ回想録 私の意見=みんなの意見
お客様の本音が書かれているのでこれはいい機会だ。と出来る限り目を通すようにしています。
ただ読んでいてあれ?と思うのが、
○○を改善しなければ日本人は誰も2度とこの船には乗船しない。
と言い切ってらっしゃる方が多いということです。
ところが蓋を開けてみると、ブログにも書きましたが実に多くの方がリピーターとして戻ってきていらっしゃっています。
えーっと、あのー、個人の意見が日本人全体の意見として言い切るにはちょっと飛躍しすぎているのでは、、、、
と思いましてね。もちろん、改善していくことが重要課題であって、いろんな意見を頂戴するのは、おもてなしする側からの視点では気がつかない事も多くあって大歓迎なのですが、それを個人の意見ではなく全体の意見として発するのは違うのではないかと。
イタリアに住んで長くなりましたから、周りはどうであろうが、私はこうなんだからいやなんだよ、困るんだよ!とハッキリ自分の意見を言う事に慣れてしまっている私から見ると、やはり日本は個人の意見を堂々と発せられない環境にあるんだろうな、と感じます。だから誰かの後押しが必要なのであって、まわりのほんの数人が賛同したくらいでそれがいかにも全体の意見になったように感じ、個人としてではなくみんなもこう言ってるから。とやっと全体的な意見として物が言える。
乗船中も、
「ビュッフェが寒いんですよね〜」
とお客様に言われ、確かに寒いですよね、すぐ担当のものにいって空調の温度を調整させますね。と言うと
「いや、私だけじゃなくて連れのものも、名前は分からないけど、よく船の中で会う方も同じ事いってらっしゃいました。」
寒いというごく簡単な個人的意見を述べるのにも、他人の賛同が必要なのか?
団体でないと物事を動かせないと思っていらっしゃるのか?
ビュッフェ内の温度調整くらい、他人の賛同など必要ないのにな、、、、と苦笑してしまいました。
堂々と個人の意見を述べていただいていいんですのよ、お客様。
皆様がいらっしゃるところは日本ではなくイタリアの船。
個人的意見を発したからといって誰も咎めたりなどいたしません。
むしろ大歓迎なのですから。
それで改善して多くの日本のお客様をお迎えできるようになって、日本のマーケットを開く事ができればしめたもの。
日本のお客様の標準が高すぎてイタリア式ではお気に召していただけなかった場合は、それはそれまで。
ぶっちゃけた話、会社は営利団体ですから、利益がでなければやる意味がないんです。
出来る範囲でやるだけのことはやったもんね、でも日本人には受け入れられなかった。
それがわかっただけでも、挑戦してよかった。で終了です。それだけのことです。
個人の意見=大多数の意見 そして何故か大きく発展して日本全体の意見と誇張せず、広い視野で物事を見、もっと個人意見を発していってくださいませ、イタリア船では♪
by smilenory
| 2013-10-18 23:02
| クルーズライフ