アモーレに言えないけど言った話 ロシア人より愛を込められて 笑

クルーズが始まった当初は、メイン言語(イタリア語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、英語)以外の人間は翻訳の山に囲まれます。
船内新聞、昼と夜のメニュー、寄港地インフォメーション、オプショナルツアーマガジン、フライヤー(客室に配られるチラシ)などなど、日本語に訳さなきゃならないものの山積みで、自分のキャビンか印刷室に籠る生活を強いられます。
で、メイン言語以外の人間は私とロシア人の男の子(パスポート上では32歳だけど、彼はウクライナ人でロシアのパスポートを手に入れるのに年齢詐称する必要があったので爆、実際の年齢は25歳だとは本人談 笑)で、我々二人が夜中の2時くらいまで毎晩印刷室に籠って黙々と翻訳作業を続ける日々が続いてました。

基本、毎日客室に届けられる船内新聞はメイン言語以外の言語担当者は英語のやつから訳さなきゃいけないんですが、今回の英語ホステスがアホで間違いだらけなのとイタリア語のが一番に出来上がるので私はイタリア語から日本語に訳をしていて、側にいたルッソ(ロシア人という意味のイタリア語)も早く仕事が終わるので彼もイタリア語からロシア語に訳をしてて、でも彼はイタリア語を100%理解できないので、彼が分からない単語や内容は私が英語に訳して仕事を続けていました。
そんなことが続いたからなのかどうなのか、このルッソはある日
「のりこはとってもいい人だ!」
と横でつぶやくのを聞き、何もアンタだけに親切じゃなくてみんなに親切なのよ私は。と言ったものの、私の余計な親切心がルッソのハートに火をつけてしまったようで、彼が私を追いかける日々が始まりました。

船内ではクルー同士で連絡を取り合うために船内だけで機能する携帯を持たされるのですが、5分おきにルッソから
「どこにいるの?」
「何してるの?」
ひっきりなしに電話がかかってくる。
私が乗船説明会、お客様デスクとかをやってる時間もルッソには関係なし。お客様と喋ってるのに、デスクの近くまでやってきて、わざと私の携帯に電話をして早く終わらせろとか平気で言ってくるし。
こんなことが何回か続いたので忙しい時は電話に出ないので放っておいたら
「何で電話に出ないんだ!」
とそれはそれは必死の形相。
あのですね、私は仕事をしているので忙しい時は船上病院とかフロントとかお客様が私を必要として連絡がくる電話以外取らないんですってば。
といっても、若くて自分に正直ですぐ感情が表情に出るルッソに理解できるはずもなく。
とにかくいつも私と一緒にいたい強引なルッソに負けて、時間があるときは本当に常に彼と一緒でした。
そんな状態だったもんですから、クルー仲間の数人から
「あなたたち付き合ってるのよね?」
と予想もしない言葉が飛び出してビックリしたり。
20歳も年齢差があるんだから、どんなに私が若く見えても釣り合わないっしょ。
てか、その前に私結婚してますし?私は仕事以外のものには興味ないんですってば〜。を周りに連呼してました。笑
ホステス仲間たちからも、
「のりこがあと10歳若くて、結婚してなかったらあなたたちは立派なカップルよね〜」
と言われて、げーという顔をする私の側で涼しい顔をしているルッソ。
お前も何か言えよ、おい。
とこっちは変な誤解を解きたくて必死のパッチなのに、ルッソは何も否定しない。
若いってすごいっすね。国民性の差を痛感した一瞬でした。

[ルッソ愛の語録]
その1
船がバンコクに近い港に停泊するコースのとき、夜の土地(基本、夜はいつも海の上ですからね)に飢えていた我々船乗りはみんなで一緒に出かけ酔っぱらって明け方に船に戻ってくるという荒技をやっていたんですが、2回目の停泊のときにルッソに
「今晩でかけるよね?フレンチ、ジャーマン、イングリッシュのホステスと出かけようという話になってるよ」
と聞くと
「君だけで十分だ、他の人達はいらない」
私 唖然

その2
クルーバーで仲間達と飲んでたときの話。午前2時でクルーバーが閉まるので、まだ開いているお客様エリアのバーに行こうとするルッソに連行されそうになり、私服のままお客様エリアに出ちゃまずいってば!!とクルーエリアから出ないと必死に抵抗する私に
「下船まであと3週間しかないんだよ!!3週間しか一緒にいられないんだよ!!僕と一緒に来て!!!」
と真剣な顔で懇願されて 私 唖然
一緒に飲んでた船上日本人美容師もこのルッソの発言を聞いて唖然

その3
あと数日で下船だね〜家に帰れるね〜と船上ミュージシャンと船内ラウンジで談笑していたときに
「僕は全然ハッピーじゃない」ルッソ
「何で?」ミュージシャン&私 唖然

君は正気か?と疑いたくなるほど、真剣なルッソにおばちゃんはタジタジでした。笑

地中海にいるときは日本人クルーは私だけ、というのがほとんどなのですが、今回アジア航路には船上美容師のほかレセプションにも日本人がいたので、日本人だけで日本語で喋りたくて集まって飲んでても、必ずルッソに邪魔されました。
美容師さんからは
「すごいね、ルッソ。のりこ命だね。私がのりこさんと喋ってると嫉妬の形相だよ」
と言われてしまい、日本人と喋ることも許されんのか。と途方に暮れたり。

ま、かわいい顔してるのとまだ精神的に幼いのでフォローしてあげなくちゃな。と私はルッソのお母さんになったつもりで接していたんですけれどもね、、、。

ここまで読んでくださった皆様、ルッソがどんな顔してるかご興味お持ちでございましょう。
これがルッソです。

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18歳くらいの少年にしか見えん、、、

124人のロシア人客が下船した後、鬼のように多忙な日々から解放されて精神的にがくっときたのか、下船までの最後の4日間は高熱が出て引かなかったため、お見舞いに行ったときに撮った写真です。
中国人女子クルー達にかっこいいと超人気だったルッソです。

同じ日に下船したので、もちろん香港空港内でも解放してもらえませんでした。
他にフランス人ホスト、韓国人のフロント係の子もこの日に下船で空港内では一緒だったんですが、前出した、ルッソが冬物の服を持ってきてないので絶対空港内のショップ買わなくちゃ凍死する、と必死だったので、じゃ別行動して何時にどこかで集まろうか。と提案したとき、
「のりこは僕と一緒にくるよね?」

。。。。。。。。。。。。。。。。。。

本当に最後の最後までルッソに振り回されました。歩き回っている内にさすがにお腹が空いたので
「私はご飯食べるから、一人で見てきなさい。30分後にマクドナルドで待ち合わせしましょ」
と提案したら、
「30分後?ぼくは君と一緒にいたいんだよ、一分でも惜しいんだ、、、でも手袋と帽子は買わなくちゃいけないから、、5分で戻ってくるから。絶対マクドナルドから動かないで」

、、、、、、、、

そして本当に5分で戻ってきたルッソと合流し、彼が一番早いフライトだったのでみんなで見送りしたのですが、ゲートにつくと
「ありがとう、ここまででいいから。ショッピングセンターがあるからそっちに行っていいよ」
とフランス人ホストと韓国人フロントを追い返そうとし、彼の私と二人きりでいたい思いを汲み取れないフランス人ホスト(笑)は
「何言ってんの?ここまで来たら見送るよ」
と強引に居残り、ルッソが搭乗開始して姿が見えなくなるまでみんなで見送りました。笑
ルッソの姿が見えなくなったとき、
あ〜これでお役目終了。という感が強かったですね。笑

ルッソからは昨日早速
I MISS YOU ALREADY((((((((
というメールが来ましたが。

2年半になる船乗り生活で、こんなこともあるんだな。と正直ビックリしました。ルッソの気持ちは嬉しいけれど、君にはまた君の年齢にあったふさわしい人が見つかるよ。私的には、へーまだまだ私も捨てたもんじゃないんだな、面白い経験させてもらったと感謝することにします。笑
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by smilenory | 2013-01-19 00:17 | クルーズライフ

気がつけばイタリア在住16年!イタリアのクルーズ船で働きながら、思ったことを綴っています
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